債務整理
・ 特定調停(民事調停)
・ 特定調停(民事調停)
- 民事調停(特定調停)とは、支払い不能に陥る恐れのある、返済の滞った債務者(個人・法人)の経済的再生の手続を定めたものです。特定調停は、債権者1人(1社)ごとに申立てます。
- また、特定調停は簡易裁判所に申立てますが、申立てると調停委員が選ばれます。この調停委員が、債権者と債務者その他利害関係人(保証人等)の言い分を聞き、話し合い・互譲によって解決することを目指します。
- 特定調停は、「利息の引き直し計算」を行って借金の額を確定し、それを約3~5年で分割弁済していくように調停を行っていきます。将来利息は一般的につけません。この借金整理方法では、調停委員会の専門家が介入してくれます。
- 自己破産と違い、借金の理由は問われません。
・代理人司法書士
- 認定司法書士であれば、当該調停によって得られる利益が140万円以下の場合、依頼者の代理人となることができます。
管轄
- 特定調停の管轄は、相手方債権者の本店または営業所を管轄する簡易裁判所となります。また、特定調停では、一括自庁処理が認められています。
- 一括自庁処理とは、特定調停において、複数の相手方がいることによって、管轄簡易裁判所が複数になった場合に、どこか一つの簡易裁判所で、特定調停を申立てることができるということです。
・必要な書類
- 特定調停では、相手方債権者の資格証明書(法務局で取得、1通1,000円)が必要になってきますが、簡易裁判所によっては、大手の債権者の場合、資格証明書が不要な場合もあるようです。
- その他、収入を証する書面、財産を証する書面、借金を証する書面等が必要になります。また、特定調停の申立書は、正本(裁判所用)・副本(相手方用)・控えと、3部必要になります。
・メリット
- (1)執行手続を無担保で停止することができる
- しかし、取立ての停止は裁判所の判断に委ねられるので、必ずしも止まる訳ではありません。
- (2)利息制限法による引き直し計算をすることができる
- 計算後の金額を将来利息をカットして分割弁済することができます。
- (3)申し立て費用が債権者1件につき500円の手数料で済む(要:予納切手)
- (4)破産者とならず、財産を手放さずに済む
- (5)債権者の協力を得やすい
・デメリット
- (1)債権者の数が多いと手間がかかる
- (2)利息制限法による引きなおし以上の減額を受けにくい
- (3)調停は成立しない場合もある
- (4)調停調書は債務名義にもなる
- 債務の返済を怠れば、強制執行されることとなる。
・特定調停と個人債務者再生
- 特定調停は元本がカットされるわけではありません。お客様が返済を前提に考えていらっしゃるのであれば、元本がカットされる個人債務者再生も視野に入れると良いでしょう。
- 特定調停の一般的なスケジュール
-
(1)相談・受託 債権者に受任通知発送
必要書類集め(依頼者)(2)打ち合わせ(数回) 必要書類受け取り→不足分確認 (3)特定調停申立 裁判所に書類提出
調停期日確定
債権者に特定調停通知発送(4)債務者事情聴取 調停委員から債務者への聴取
※債務者事情聴取と調停期日を同日に設定する裁判所もある(5)調停期日 ※状況によっては何度か繰り返す場合も有る (6)終了